化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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冷やした果物がおいしい理由・ぬるい清涼飲料水が美味しくない理由

糖と温度の関係

甘さを感じる主成分は糖である。

フルクトースは最も甘い糖のうちの1つであり、グルコースと比べると約2倍甘いと言われており、スクロースよりも甘い。

このフルクトースは、熱すると甘味が減少する。これは低温では甘味を強く感じるピラノース型のフルクトースとなるが、高温では甘味を弱く感じるフラノース型のフルクトースに変化するためである。

このため、フルクトースが多く含まれている果物などは冷やしたほうが甘く、おいしく感じる。

また清涼飲料水の甘味料として用いられるコーンシロップにもフルクトースが含まれているため、温めた清涼飲料水は甘味が弱く感じられることがある。そのため、ぬるい清涼飲料水が美味しく感じられない原因の1つである。

一方で、食品業界などでは、スクロースを加水分解した転化糖が用いられていることも多い。