化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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化粧品と界面活性剤

特に女性が気にするような化粧品の話です。実は界面活性剤は身のまわりでも多く使われており、その代表の1つが、化粧品です。

洗顔用化粧品

洗顔料は、肌表面を清潔に保つために用いる基本的な基礎化粧品です。

この洗顔料の剤型は、界面活性剤を比較的多く配合しているものがあります。これは使用時には水を加え泡立てて使用する「界面活性剤型」のものと、使用時に顔で汚れと充分なじませた後、拭き取りまたは洗い流す油分、保湿剤などを用いた「溶剤型」の二つに分類されます

洗顔料に用いられる界面活性剤は、脂肪酸せっけん、アミノ酸系界面活性剤(アシルグルタミン酸塩)、アシルメチルタウリン、ポリオキシエチレン(POE)、アルキルエーテル、モノアルキル酸塩などが広く利用されています。

近年、メーキャップ化粧品の耐水性や、耐汗性機能が向上しました。その結果、非常に落としにくい剤型になっているものもあります。このようなメーキャップ化粧品や、皮脂腺の上部に固まった汚垢の除去には、溶剤型の洗顔料が適しています。

溶剤型の洗顔料の代表的なものとしては、油分を多く含んだ洗い流しと拭き取りが可能なクレンジングクリームや油性成分に界面活性剤を配合した洗い流し専用のクレンジングオイル、保湿剤、油分、界面活性剤からなるジェルタイプのものがあります。

また、軽い化粧落とし用として、クレンジングクリームよりもさっぱりした乳液状のものや、エタノール、保湿剤を多く配合した化粧水状のものも用いられています。
洗顔用化粧品は、衣類や食器などに使用する洗浄料とは異なります。そして洗浄・脱脂力が大きければよいというわけではありません。余分な汚れはしっかり除去しながらも、過度な脱脂は抑、洗顔後にしっとりした感触が残るものが好ましいといえます。

油分や保湿剤を含む洗顔フォームは、過度の脱脂を抑え、洗顔後のつっぱり感もなく、乾燥肌の人にも適しています