レオロジー
物質の変形と流動に関する科学をレオロジーという。取り扱う物質は金属、プラスチック、油、ゴム、ガラス、アスファルト、粘土、生体細胞、セルロース、でんぶん、タンパク質などの様々な物質がある。
レオロジーのレオはギリシャ語で流れを意味することに由来している。
そこでレオロジーは、弾性力学や流体力学などをベースに、気体や液体の流動だけでなく、固体の弾性、固体と液体の中間物質の塑性、粘弾性、さらに物質の破壊などの現象の測定と物質構造との関係を明らかにすることを目的としており、従来の学問分野の枠を越えた総合的な学問である。
レオロジーの取り扱う性質として、異常粘性、塑性、チキソトロピー、ダイラタンシー、ワイセンベルク効果、法線応力効果などの粘弾性挙動がある。
化学レオロジー
物質内で化学反応が起こることによって発現するレオロジー的性質を化学レオロジーという。
ゴムにおいては、酸化反応、光反応、放射線反応などによって高分子鎖の橋かけや切断が起こることによって、レオロジー的挙動を示すことがある。
レオロジー的挙動がクリープとして発現するときは化学クリープ、応力緩和として発現するときは化学緩和という。
理想ゴム弾性論を用いると、これらの測定を解析することによって、どのような種類の切断、橋掛けがどの程度起こっているかを知ることができる。
化学レオロジーはゴムの酸化劣化、オゾン劣化反応の機構解析に役立っている。ゴムだけでなく、プラスチック、繊維へも化学レオロジーが応用されている。