化学徒の備忘録

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尿糖試験紙:グルコースの検出の話

尿糖試験紙とは

尿糖試験紙とは、尿に含まれるグルコース(ブドウ糖)の濃度を簡便に測定できる試験紙である。通常は尿にはグルコースは含まれていない。しかし糖尿病になると尿にグルコースが含まれるようになる。そのため、この尿糖試験紙を用いることで、尿にグルコースが含まれているかどうかを調べることで、健康状態を知ることができる。

この尿糖試験紙には3つの物質が含まれている。3つの物質とは、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ο-トリジンである。

グルコースオキシダーゼはグルコースを基質とする酵素である。このグルコースオキシダーゼはグルコースを過酸化水素(H2O2)とグルコナラクトンにする。

ペルオキシダーゼはグルコースオキシダーゼによって生じた過酸化水素を利用してο-トリジンを還元型(黄色)から酸化型(緑色)に変化させる。

以上の反応によって、緑色の試験紙が黄色になることで、グルコースが含まれているかどうかを検出することができる。

尿糖試験紙とフェーリング反応との違い

フェーリング反応は糖類の還元性を利用することで、糖類を検出することができる反応である。しかしフェーリング反応では、グルコース以外にフルクトース(果糖)といった他の糖類も反応する。そのため、フェーリング反応では検出した糖類がグルコースかどうかはわからない。しかし、尿糖試験紙に用いられているグルコースオキシダーゼは酵素であり、基質特異性があるため、フルクトースやスクロースといった他の糖が含まれていても反応せず、グルコースだけを検出することができる。