化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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量子ホール効果:ホール伝導度が離散的な値をとる現象

量子ホール効果

半導体と絶縁体の界面や半導体のヘテロ接合面などの二次元内の電子に対して、数K以下の極低温下で、数テスラ程度の強力な磁場をかけると、ホール伝導度\sigma_Hがとびとびの離散的な値をとる現象を量子ホール効果 (Quantum Hall Effect, QHE)という。

整数または分数をv、素電荷をe、プランク定数をhとすると、ホール伝導度\sigma_Hは次のように表される。

 \displaystyle \sigma_H = v \frac{ e^2}{h}

vが整数の場合は整数量子ホール効果vが分数の場合は分数量子ホール効果という。

量子ホール効果では、強磁場によって電子の固有状態はランダウ準位に量子化され、半導体内の不純物などによって局在化 (アンダーソン局在) すると、電流に寄与しなくなることによる影響で整数量子ホール効果が生じると考えられている。

また、分数量子ホール効果は、半導体の不純物が少ない場合に観測され、電子間のクーロンポテンシャルによって発生すると考えられている。