化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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結晶の格子と基本単位格子・基本並進ベクトル・並進対称性

格子と基本単位格子とは

結晶を原子や分子の配列の繰り返しと考えることができる。これは具体的には、原子や分子の配列のうち1つの区間を考え、その区間の繰り返しによって結晶が構成されていると考えている。この1つの区間である単位構造が繰り返し配列されているものを格子という。

結晶中がある単位構造の繰り返しで構成されているとき、面積もしくは体積が最小となる単位構造を基本単位胞もしくは基本単位格子という。

結晶の3次元の基本単位格子を 上下左右前後に繰り返し重ねていくと、結晶全体が再現できる。この基本単位格子の大きさを表す定数が格子定数である。

基本単位格子のどこか一つの点を格子点という。

基本並進ベクトル

3次元の基本単位格子のある点のまわりの3つの稜 (辺) に沿ったベクトルをa_1a_2a_3とする。このa_1a_2a_3基本並進ベクトルという。この基本並進ベクトルと任意整数n_1n_2n_3を用いて、格子点R_nは次のように表される。

R_n = n_1 a_1 +n_2 a_2 + n_3 a_3

並進対称性

ベクトルR_n分だけ結晶を平行移動しても、結晶の構造は変わらない。この平行移動の操作を並進操作といい、並進操作に対して構造が不変である性質を並進対称性、もしくは並進不変性という。