化学徒の備忘録

化学系の用語や論文をわかりやすく紹介していきます

モル (mol):物質量の単位

モル (mol) とは

モル (mole, mol) とは原子や分子、イオンの物質量の単位(物質の量の単位)です。モルは記号はmolで表されます。またモル (mol) は国際単位系 (SI単位系) のSI基本単位の1つであり、基本的な単位であるといえます。

1 molは約6.02 × 1023 (正確には6.022 140 76 × 1023) の数の粒子 (原子、分子、イオンなど) の集団です。また、この数はアボガドロ定数 (NA = 6.022 140 76 × 1023 mol-1)といわれます。

以前は1 molの定義は12C (炭素12) 約12 g (正確には11.999 999 9958(36) g)中に含まれる12Cの数であり、この数と同じ個数の原子や分子、イオンの集団を1 molとしていましたが、2019年に定義が変わりました。

また、ある物質の物質量(mol)とアボガドロ定数の間には次の関係が成り立ちます。

 \displaystyle 物質量 [ \rm{mol} ] =\frac{ 物質の粒子の数} { アボガドロ定数 }=\frac{ 物質の粒子の数} {約6.02×10^{23} [ \rm mol ^{-1} ] }

どのような物質でも、1 molは同じ数の原子、分子、イオンを含んでいます。そのため、化学反応式中の原子数比、分子数比、イオン数比と各モル比は対応する関係にあります。

このように、化学では反応が起こる際に物質の質量ではなく、原子や分子などの数で考える必要があるため、物質量 (モル) がよく使われます。 

モル (mol) のイメージ

モル (mol) の単位のイメージとしてよく使われるのは鉛筆などの本数とダースの関係です。鉛筆"12本"を"1ダース"と数えるように、原子"約6.02 × 1023 個"を"1 mol"としています。

また、他の例えとして、モル (mol) の単位のイメージは例えばティッシュペーパー"150組(300枚)"を"1箱"と数えるようなものであるともいえます。

ティッシュペーパーを1組 (2枚) で売買するよりも、1箱で売買した方が計算もしやすく便利なように、原子や分子1つ1つの大きさが小さく、一方で実験などの反応で扱う原子や分子の個数は大きいためmolという単位を基準に扱っているといえます。

モル (mol) の関わる計算

ある物質1 molの質量がモル質量です。また、単位がg/molであるモル質量は、原子量、分子量、式量にg/mol単位をつけた値と数値的には等しくなります。

そのため、次のような関係が成り立ちます。 

 \displaystyle 物質量 [ \rm{mol} ] = \frac { 質量 [ \rm{g} ]  }{モル質量 (原子量) [ \rm{g/mol} ] }

小学生の距離と速さ、時間を計算するときに求めるものを隠すことで式が導き出せる”はじき”の方法を習った人も多いと思いますが、物質量 (モル) の計算でも次のように似たようなことができます。

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