化学徒の備忘録

化学系の用語や論文をわかりやすく紹介していきます

グリセルアルデヒド・α-アミノ酸のDL表記法

グリセルアルデヒドのDL表記法

α-アミノ酸の立体構造のDL表記法は、グリセルアルデヒドの立体構造が基準になっている。

グリセルアルデヒドは三炭糖の化合物であり、アルデヒド基に隣接する炭素は不斉炭素であり、水素原子(-H)、アルデヒド基 (-CHO)、ヒドロキシ基(-OH)、ヒドロキシメチル基(-CH2OH)の4つの異なる原子もしくは原子団が結合している。

そのため一対の鏡像異性体 (エナンチオマー) が存在する。

このグリセルアルデヒドをフィッシャー投影式 (Fischer投影式) で描くときに、不斉炭素を中心に描き、4つの官能基のうちアルデヒド基 (-CHO)とヒドロキシメチル基(-CH2OH)が縦に並ぶように描いたときに、ヒドロキシ基(-OH)が左に位置するものをL体、ヒドロキシ基(-OH)が右に位置するものを
D体と定義している。

f:id:syerox:20190822140056j:plain

D,L-グリセルアルデヒド

α-アミノ酸のDL表記法

グリセルアルデヒドのL体とD体の表記から、相同の立体構造をもつα-アミノ酸の立体構造が命名される。

グリセルアルデヒドのアルデヒド基 (-CHO)をカルボキシ基(-COOH)、ヒドロキシ基(-OH)をアミノ基(-NH2)に置き換えたとき、L-グリセルアルデヒドはL-セリン、D-グリセルアルデヒドはD-セリンとなる。

このセリンのヒドロキシメチル基(-CH2OH)をそれぞれのアミノ酸の側鎖に置き換えることで、α-アミノ酸の立体構造が命名される。

f:id:syerox:20190822140232j:plain

D,L-セリン