波動関数とは
電子や原子、分子、分子集団、結晶などの状態を量子力学的に解く場合、シュレーディンガーの波動方程式を考える。
波動関数は、このシュレーディンガーの波動方程式の解である。
一般的に、波動関数はで表される。
波動関数は、実験からその値を求めることはできない。しかしながら、波動関数を二乗したものは、粒子の存在確率を表す。そのため、波動関数の二乗は、粒子の存在確率として実験で確認することができる。
波動関数は一般的に、複素数である。しかし、波動関数の二乗は実数となる。
波動関数の満たす条件
波動関数として意味をもつ関数は、一価性、連続性、有限性の三つの条件を満たす必要がある。
一価性とは、変数の一つの値に対して、関数の値が一つに定まる性質であり、波動関数に対して、粒子の座標と時間が与えられると、波動関数の値は一つに決定できる。
連続性をもつため、波動関数そのものと、波動関数が微分されたものは連続となる。
また、有限性をもつため、波動関数はどの領域でも有限の値をとる。
また、波動関数の二乗を全空間において積分したものは、1となる。このことを、波動関数は規格化されているという。
これは、粒子は空間内のどこかには存在するため、確率を足し合わせたものは1になるということである。
また、異なる状態にある二つの波動関数は直交する。これは式で表すと、次のように表される。
ただし、とする。