化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

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バルマー系列・ライマン系列・パッシェン系列の解説

水素のスペクトル線について

水素を低圧で封入した放電管を水素放電管という。

この水素放電管の両極の間に高電圧をかけると、水素特有の発光が見られる。この水素特有の光を、分光器で分光すると、連続スペクトル以外に多数の線スペクトルが観測できる。

バルマー系列について

この線スペクトルの波長の規則性を初めて提唱したのが、スイスの物理学者のバルマー(Balmer)である。

ここで、観測される光の波長を \lambda、リュードベリ定数(1.097373×107 m-1)をR、3以上の整数をnとすると、可視光領域のスペクトル線の波長は次の式で求められる。

 \displaystyle \frac{1}{\lambda} = R\left(\frac{1}{2^2} - \frac{1}{n^2}\right)

このスペクトル線の系列のことをバルマー系列という。

ライマン系列について

その後、紫外光領域のスペクトルについても類似の関係がアメリカの物理学者のライマン(Lymam)によって提唱された。

ここでは2以上の整数をnとすると、紫外光領域のスペクトル線の波長は次の式で求められる。

 \displaystyle \frac{1}{\lambda} = R\left(\frac{1}{1^2} - \frac{1}{n^2}\right)

このスペクトル線の系列のことをライマン系列という。

パッシェン系列について

さらに、赤外光領域のスペクトルについても類似の関係がドイツの物理学者のパッシェン(Paschen)によって提唱された。

ここでは4以上の整数をnとすると、赤外光領域のスペクトル線の波長は次の式で求められる。

 \displaystyle \frac{1}{\lambda} = R\left(\frac{1}{3^2} - \frac{1}{n^2}\right)

このスペクトル線の系列のことをパッシェン系列という。