均一系の可逆変化について
まずは均一系の可逆変化について、体積変化のみの仕事がある場合を考える。
系になされる仕事を、圧力を、体積変化をとする。このとき次の関係が成り立つ。
また、内部エネルギーの変化を、絶対温度を、エントロピー変化を、成分の化学ポテンシャルを、成分の粒子数の変化をとする。このとき、次の関係が成り立つ。
界面を含む系のGibbs-Duhemの式について
ここで、二つのバルク相AとBの間に平らな界面をもつ不均一系を考える。
ここでのバルク相とは、流体のうち界面にふれてない部分のことをいう。
界面の面積を、界面張力をとする。界面の面積を広げるときには、の仕事が必要である。
よって、 系になされる仕事と内部エネルギーの変化は均一系とは変わり、次のようになる。
ここで内部エネルギーの変化をルジャンドル変換によって、ギブズ自由エネルギーの変化に変換する。
この結果よりギブズ自由エネルギーは次のように表される。
ここで式を積分すると次のようになる。
そして、この結果の式を積分すると次のようになる。
これは均一系でGibbs-Duhemの式を導出する際の方法と同様である。
ここまでで得られた次の2つの式をまとめて整理する。
その結果、次の界面を含む系のGibbs-Duhemの式が得られる。
また、界面を含む系のGibbs-Duhemの式を界面張力の全微分形に書き直すと次のようになる。