塩酸の希釈
塩酸を希釈する場面、実験をしているとよくあると思います。
特に古い文献で見かけるのが6Nの塩酸を使うといった場合です。このNは規定度を表していて、溶液1L中の溶質のグラム当量数のことです。モル濃度(mol/L = M)に酸やアルカリの価数をかけることで計算ができます。
今回は塩酸の調製についてまとめます。
ここでは37重量%の濃塩酸を12N = 12Mとして、ここからの希釈を考えます。
(もとの塩酸の規定度/調製したい塩酸の規定度) - 1をすることで、加える水の割合を求めることができます。
1N: 12Nの塩酸に11倍の体積、つまり1100%分の水を足せばよいです。
2N: 12Nの塩酸に5倍の体積、つまり500%分の水を足せばよいです。
3N: 12Nの塩酸に3倍の体積、つまり300%分の水を足せばよいです。
4N: 12Nの塩酸に2倍の体積、つまり200%分の水を足せばよいです。
5N: 12Nの塩酸に1.4倍の体積、つまり140%分の水を足せばよいです。
6N: 12Nの塩酸に1倍の体積、つまり100%分の水を足せばよいです。
7N: 12Nの塩酸に約0.71倍の体積、つまり約71%分の水を足せばよいです。
8N: 12Nの塩酸に0.5倍の体積、つまり50%分の水を足せばよいです。
9N: 12Nの塩酸に約0.33倍の体積、つまり約33%分の水を足せばよいです。
10N: 12Nの塩酸に0.2倍の体積、つまり20%分の水を足せばよいです。
11N: 12Nの塩酸に約0.09倍の体積、つまり約9%分の水を足せばよいです。
12Nの塩酸100 mLを希釈して6Nの塩酸を調製する場合は、水を100 mL加えればよいということです。
操作
操作としては、まず使う器具を洗浄し、乾燥させます。
次に、超純水や蒸留水をメスシリンダーではかりとり、ビーカー等に移します。
そして、別のメスシリンダーで濃塩酸をはかりとり、水の入っているビーカーに少しずつ、かき混ぜながら加えれば調製ができます。
ただし、正確な規定度を求める場合は、規定度の分かっている塩基をつかって、求める必要があります。