用語解説
結合分極・部分電荷 電気陰性度の違う原子が結合した場合、結合電子は電気陰性度の大きい原子のほうに引きつけられる。その結果、電気陰性度の大きい原子は少しマイナスに、電気陰性度の小さい原子は少しプラスに荷電する。この結合した2原子がプラスとマイ…
電極を呼ぶ際のカソード、アノード、陽極、陰極、正極、負極について解説し、まとめています。
酸化数 酸化数とは、物質中のそれぞれの原子に対する酸化の状態を表す数値である。 酸化数が負の値の場合、中性の原子よりも電子を得ている状態となる。また、酸化数が正の値の場合、中性の原子よりも電子を失っている状態となる。 また、酸化数が増加した原…
イオン化エネルギー イオン化エネルギーは原子のうちの最外殻 (一番外側) の電子が原子の電子軌道から離れ自由電子になるために必要なエネルギーである。 上の図はイオン化エネルギーを受け取ったときの軌道の様子を表したエネルギー図である。エネルギー図…
3つの中和 一般的に異なる性質をもつものが混ざり、互いの性質を消しあうことを中和という。特に化学では、酸と塩基の中和、正の電荷と負の電荷の中和、毒素と抗体の中和という意味で使われることがある。 酸と塩基の中和 酸と塩基が反応し、酸の酸性、塩基…
電子殻とは 電子殻とは、原子を構成する核外電子の中で、同じ量子数をもつ電子の群のことである。 電子殻という考え方は、原子を、卵のように中央の正電荷をもつ原子核(卵の黄身)と、そのまわりに電子の存在する場所が殻のようにある原子模型を考えている。 …
超ウラン元素 地球上に存在する元素のうち、自然界に存在する元素は、原子番号92のウラン(U)までであるといわれている。 この原子番号92のウランよりも原子番号の大きい元素を超ウラン元素という。原子番号92のウラン以降の元素は、日本で話題になった原子番…
原子番号とは 原子番号とは原子核中の陽子の数である。 原子は陽子と中性子から構成されている原子核と、その周りに存在する電子によって構成されている。 このうち、陽子の個数が原子番号である。つまり、原子核中の正電荷の数が原子番号であるということも…
内部エネルギーとは 内部エネルギーとは、系内の分子全体のエネルギーから系全体がもっているポテンシャルエネルギーと系全体がもっている運動エネルギーを除いたエネルギーである。 内部エネルギーは記号ではやで表される場合が多い。 系内にある物質のもつ…
分子式 分子式は分子を構成する原子の種類と個数を表したものである。 水の分子式はH2O、メタンの分子式はCH4である。例えば、H2Oは水素原子2個と酸素原子1個で構成されていることを表す。 構造式 分子を構成する原子の種類と個数が、それぞれどのような順序…
レナードジョーンズポテンシャル 孤立した2分子間、もしくは2個の希ガス原子間のポテンシャルエネルギーを表すポテンシャル関数として、レナードジョーンズポテンシャルがある。 は距離にある2分子間のポテンシャルエネルギーを表す。 、は分子や希ガス原子…
共有結合とσ結合・π結合・δ結合 有機物を構成する結合は、ほとんどが共有結合である。共有結合とは、結合する2つの原子が、互いに1つずつ電子を出し、その2つの電子を結合電子雲とする結合である。 簡単にいうと、2つの原子に対して、電子雲がのりとして接着…
共役二重結合 2つ以上の二重結合が単結合を挟むことで構成されている結合系を共役二重結合という。 二重結合はσ結合とπ結合から構成されている。しかし、π結合を形成しているπ電子は非局在性 (易動性)をもっており、σ結合のみであった単結合の間でもπ結合を…
酸解離定数KaとpKa 酸の解離反応の平衡定数を酸解離定数という。 弱酸 (HA) の解離を次のように表す。 各濃度をで表すとき、酸解離定数は次の式で求めることができる。 この酸解離定数の値が小さい酸ほど弱酸である。 また酸解離定数の対数にマイナスをつけ…
有機物の共有結合 単結合 二重結合 三重結合 単結合、二重結合、三重結合と結合の強さ 単結合、二重結合、三重結合と結合距離 有機物の共有結合 有機物を構成する結合は、ほとんどが共有結合である。 共有結合とは、結合する2つの原子が、互いに1つずつ電子…
実格子空間と逆格子空間 実際の位置ベクトルを座標とする空間を実空間という。特に、結晶のような周期的な繰り返しがある実空間を実格子空間という。 これに対して波数ベクトルを座標とし、実格子空間の周期性が反映された空間を逆格子空間という。また、単…
逆格子 結晶の実空間の空間格子と正規直交の関係にある別の格子を逆格子という。 逆格子ベクトルは結晶の格子面に垂直な方向をもち、その面間隔の逆数の大きさをもつベクトルである。 実空間の基本ベクトルを、、とするとき、逆格子の基本ベクトル、、との間…
ヤーン・テラー効果 (Jahn-Teller effect) ヤーン・テラー効果 (ヤーンテラー効果、Jahn-Teller effect) とは、非直線性多原子分子や固体内の原子団において、原子配列が正多角形や正多面体などの高い対象性をもつ場合に、電子状態が縮退することがあるが、…
アンダーソン局在 結晶内のような周期的なポテンシャル中を運動する電子は結晶全体に広がって運動し、電子の波動関数は全空間に広がったブロッホ波になる。 しかし、不純物などによって結晶の周期性が乱れ、ポテンシャルの不規則性が高くなると、散乱された…
光電効果 光電効果とは、物質に光が当たったときに、光のエネルギーが消費され、電子が放出される現象である。このとき、物質の外部に飛び出した電子は光電子といわれる。また、気体の原子や分子などから光電子が放出されイオンになる過程を光イオン化という…
ディラック粒子 ディラック方程式に従う粒子をディラック粒子という。 スピンのフェルミ粒子を指す。電子、粒子、粒子、陽子、中性子などがディラック粒子である。 特殊な条件では、ディラック粒子は物質中で形式的に質量が0の粒子として振る舞う。
量子ホール効果 半導体と絶縁体の界面や半導体のヘテロ接合面などの二次元内の電子に対して、数K以下の極低温下で、数テスラ程度の強力な磁場をかけると、ホール伝導度がとびとびの離散的な値をとる現象を量子ホール効果 (Quantum Hall Effect, QHE)という。…
ホール効果 電流の流れている物質に磁束密度の磁場中においたとき、荷電粒子がローレンツ力を受けることで、電流と磁束密度のどちらにも直交する方向に電場が生じる効果をホール効果という。 生じる電場は、金属片の磁場方向の厚さをとすると、ホール係数を…
波動関数と期待値 波動関数が規格化されている場合、次のように波動関数の二乗を全空間において積分したものは1となる。 このとき、をの複素共役とすると、演算子の期待値は次のように求めることができる。 固有値・固有関数・固有方程式 演算子を波動関数に…
ブラベ格子 3次元空間格子は対称性などによって、14種類に分類できることが知られている。この14種類の3次元空間格子を3次元ブラベ格子 (Bravais lattice)という。 このブラベ格子は平行六面体の単位格子からなる結晶格子について、その特徴や対称性から、格…
デュエット則とオクテット則 原子は正電荷をもつ原子核が中心にあり、その周りを負電荷をもつ電子が軌道を形成し取り囲んでいる。 また、原子に含まれる電子の中で最も外側の軌道に入っている電子を価電子、もしくは最外殻電子という。 内側の1s軌道 (K殻) …
仕事関数とは 仕事関数 (work function) とは、1個の電子を金属や半導体のような固体の表面から外部へ取り出すために必要な最小のエネルギーのことである。 この電子を取り除くエネルギーは一般的に金属のような固体の場合に仕事関数といわれ、孤立原子や分…
ランタノイド (ランタニド) 57番元素のランタン(La)から71番元素のルテチウム(Lu)までの15の元素をランタノイドもしくはランタノイド元素という。また、ランタニドという場合もある。 具体的にはランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジ…
粒子のシュレーディンガーの波動方程式の導出 物質の波動を記述する波動方程式がシュレーディンガー方程式 (シュレディンガー方程式)である。 量子力学的な粒子の波動方程式としてのシュレーディンガー方程式を導出する。 まず、波動は場所と時間の関数で表…
物質波とド・ブロイの関係式 量子力学や量子化学では物質波という”物質は粒子である”とともに”物質は波である”という二重性が重要となる。 この物質の粒子と波の二重性を表す式が、粒子として見たときの運動量ベクトルを、波として見たときの波数ベクトルを…