化学徒の備忘録(かがろく)|化学系ブログ

理系の筆者が化学系の用語や論文、動画、ノウハウなどを紹介する化学ブログ

カール・フィッシャー法:水分定量法

カール・フィッシャー法とは カール・フィッシャー法 (Karl-Fischer method) とは、水分の定量法である。 ヨウ素、二酸化硫黄、ピリジンなどを無水メタノール溶液としたものをカール・フィッシャー試薬といい、このカール・フィッシャー試薬を水分と反応させ…

フィッシャー・トロプシュ反応 (Fischer-Tropsch反応, FT法)

フィッシャー・トロプシュ反応とは フィッシャー・トロプシュ反応 (Fischer-Tropsch反応, FT反応)とは一酸化炭素と水素から炭化水素混合物を得る反応である。 反応式を書くと以下のようになる。 他にフィッシャー・トロプシュ合成 (Fischer-Tropsch合成, FT…

逆水性ガスシフト反応(RWGS反応)

逆水性ガスシフト反応とは 逆水性ガスシフト反応 (reverse water gas shift (RWGS) reaction) とは二酸化炭素(CO2)を水素(H2)と反応させ、一酸化炭素(CO)に変換する反応である。 反応式は以下の通りである。 また単に逆シフト反応といわれることもある。

酢酸のイオン解離と酸解離定数

酢酸のイオン解離と酸解離定数 酢酸(CH3COOH)は水溶液中では次の式のようなイオン解離が起こる。 CH3COOH + H2O ⇄ CH3COO- + H3O+ この酢酸の酸解離定数は次の式で表すことができる。

周期表の右上の原子(フッ素)ほど電気陰性度が大きい理由

周期表の右上の原子(フッ素)ほど電気陰性度が大きい理由とは 電気陰性度とは分子中のある原子が自分のほうに電子を引き付ける能力の尺度である。より細かくいと、原子中の原子核が結合電子対を引き付ける強さの尺度といえる。 この原子核と結合電子対は距離…

尿糖試験紙:グルコースの検出の話

尿糖試験紙とは 尿糖試験紙とは、尿に含まれるグルコース(ブドウ糖)の濃度を簡便に測定できる試験紙である。通常は尿にはグルコースは含まれていない。しかし糖尿病になると尿にグルコースが含まれるようになる。そのため、この尿糖試験紙を用いることで、尿…

水素イオン濃度からpHを計算する方法

水素イオン濃度からpHを計算する方法 ここでは、ある水溶液の水素イオン濃度がであるとして、pHを求めます。 pHは水素イオン濃度の対数を表す値であり、次の式によって定義されます。 上の式に水素イオン濃度を代入します。 すると、 となりpHは4.0と求める…

水のイオン積を用いて水酸化物イオン濃度からpHを計算する

水のイオン積を用いると、水酸化物イオン濃度が分かればpHを計算することができます。 ここでは25 ℃とします。このとき水のイオン積は次の通りになります。 水酸化物イオンの濃度をとします。 このとき水のイオン積の式に水酸化物イオンの濃度の値を代入する…

水のイオン解離と水のイオン積とpH

水のイオン解離と水のイオン積 水溶液の溶媒としての水は、水自身が次の式の反応によって水素イオン(H+)もしくはオキソニウムイオン(H3O+)と水酸化物イオン(OH-)とにわずかに解離している。 H2O + H2O ⇄ H3O+ + OH- この反応は右方向と左方向の反応が同時に…

水の水分子の濃度

水の水分子の濃度 実験や分析、計算では水溶液を用いる場合が多くある。 このとき、水は溶媒であり、溶けている物質である溶質の濃度に着目することが多い。しかし、水もまた分子であるため、水の水分子の濃度も計算することができる。 ここでは計算を簡単に…